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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

「大丈夫ですか?」

心配げに声をかけられて、片頬を上げてみせると、軽口を叩いた。

「流石にダンスまですると思ってなかったからな」

よく見れば、靴擦れまではいかないけど、部分的に赤くなっている所もあった。

履き慣れない靴は疲れる。

ましてや女物の、ヒールの高い靴なんて論外だ。

反対の足も揉みほぐそうと、足を組み換えると

「マッサージ致しましょうか?」

いつの間にかジュークが俺の前に屈み込んでいた。

「へ?」

まさかそんな事言われると思わなくて、ポカンとジュークを見つめる。

それを肯定と受け取ったんだろうか?

ジュークの手が俺の足に伸びてきて…

「それよりも、ティアナはどうしている?」

突然ディオが口を開き、ジュークの手も止まった。

その場で立ち上がり、ディオに向き直ると、淡々と答える。

「特におかわりは無いと聞いておりますが」

「そうか」

あ…

「そうだ。姉上と交代しないとな」

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