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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

だけど、廊下にいるSPや従者は、俺達が入れ替わったのを知らない。

奴らに見つからないように姉上がいる部屋まで行くには…

頭の中でルートを検索していると、ジュークが俺をちらりと見て

「ですが、もうこんな夜更けですし、お休みになられているところを起こすのもいかがでしょう?」

言われて時刻を確認すれば…ああ、確かに。

あと数十分で日付を跨ごうとしている。

こんな時間に訪ねるのは非常識だよな。

ジュークの言うことはもっともだ。

納得しかけて、はたと気付く。

…って事は…?

ジュークを凝視すれば、いつもの作り笑いを浮かべて俺を見て

「今日のところはこのままこの部屋でお過ごしください」

…そうなるよな。

姉上の事を考えれば、致し方ない判断だ…と思う。

だけど…

ため息をついて眉をしかめてしまう。

そんな俺を気遣ってなのか

「幸い、ゲストルームもございます。お好きなベッドをお使い下さい」

奥の部屋を手で示し、にこやかに助言してきた。

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