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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

「ご苦労だった」

素っ気ない口調で答えるディオに、ジュークはにっこり微笑むと

「ディオチェスター様、朝食は8時ですので」

念押しするかの口調に、ディオが鼻白んだ。

「分かっている」

「はい。それではお休みなさいませ」

もう一度軽く頭を下げると、ジュークはドアを開き、向こうへ行ってしまった。

パタン、と軽い音でドアが閉まる。

その途端訪れた静寂に、どうにも身の置き場がなくて…

やみくもに足をマッサージしていると、ディオがあきれたような声をあげた。

「お前はいつまでその成りでいるつもりだ?」

「は!?」

「ついに女装が趣味になったか?」

「誰が!!」

ディオのからかい口調にムッとして噛みつくと

「いつまでもその格好だからよほど気に入ったのかと思った」

薄笑いを浮かべながら言うディオを睨み付け

「着替えればいいんだろ!?」

啖呵を切ると、ディオを押し退けてクローゼットへ向かった。

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