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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

しかも、胸元が出ないものって選んだら、ハイネックの首元にビジューやパールが散らばされた、ゴテゴテなデザインのドレスしかなくて!!

外し方なんか知るか!!

開き直って不機嫌をあらわにすると、ディオに背中を向けた。

「悪い。外してくれ」

鏡越しに見れば、ディオが眉をひそめていた。

「お前な…」

「だから!悪いって言ってるだろ!?」

ディオに背中を向けたまま言葉を重ねると、はぁ…と嫌そうな声が聞こえた。

「仕方ないだろ!?こんな時間にシルフィに頼めないし、ジュークも部屋に下がってるし」

こんな事なら、カムリを連れて来れば良かった。

今朝突然決まった外交に、カムリのシフトが合わなくて諦めるしかなかったんだけどさ…。

グッと奥歯を噛み締めて情けなさに耐えていると、ディオが近付く気配がして…

プチ…パチッ…

何回か、ホックの外れる音がした。

それと共に、首元の苦しさが和らいでいく。

「これでいいか?」

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