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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

浴槽に浸かって、窓から外を眺めた。

もう夜中と言ってもいい時間なのに、街中は光に溢れ賑わっている。

まだ祭りが続いているんだろうか?

結露した窓を手で拭う…と

ぱぁんっ!!

軽やかな破裂音が鳴り響き…

身を硬直させた俺の目の前で、色とりどりの光が弾けた!

「……っ」

その色彩に目を奪われてしまう。

すると、突然ドアが開いた。

「なっ…」

振り返れば、ディオが固い表情で扉に手をかけていた。

ディオ!?何で!!

「何だよ!?」

慌てて声を上げると、窓越しに花火が煌めいて…

ぱぁん!!ばらばらばら…

火薬の爆ぜる音が響く。

「…」

ディオは何も語らず、じっと俺を見て…

その目に射竦められて、身動き出来ない。

その時脳裏をよぎったのは、あの時の事。

このまま、組み伏せられたら…っ!!

どくんと胸が大きく音を立てる。

すると、ディオは何事もなかったようにドアを閉めて出ていった。

…は?

自分の予想と真逆な行動に緊張が緩んで、思わず笑ってしまう。

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