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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

力ない笑いがこぼれて…

息継ぎと共に、湯槽にへたり込んだ。

一体何だって言うんだ!?

ディオの行動の意味が分からない。

そして、それ以上に意味が分からないのが、自分…だ。

ディオに襲われるかも…って脳裏をよぎった。

なのに、逃げも抵抗もしなかったって…

「何でだよ!?」

両手で頭を抱えると、大きく息を吐く。

あんなの、思い出したくもない出来事なはずだろ!?

なのに…

自分の心の中の整理がつかなくて、言葉にも出来ない。

途中から浴槽に口を沈め、ブクブクと音を立てて息を吐いていると

「溺れるつもりか?」

突然聞こえた声に、慌てて目を開いた。

「ぶふっ!?」

さっきと同じように、扉に手をかけてディオが立っている。

「なっ…何で!?」

だけどさっきと違うのは、呆れたような馬鹿にしてるような、いつもの冷笑を浮かべている事。

そして…

扉から手を離すと、靴を履いたままバスルームに入ってきた!!

「おい!!」

俺の制止も気にかけず、浴槽に…俺に近付いてくる。

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