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プリンス×プリンセス

第29章 男で構わない

そんな俺の態度をどう思ってるんだろう?

ディオは小さく笑いをこぼすと

「俺がそう思ったんだ。男で構わない」

「…そうかよ」

ああ、もう頼むからやめてくれよ!!

これ以上この雰囲気に堪えられなくて、大袈裟にため息をつくと、冷たい声で告げた。

「で?いつまで居るんだよ。ディオがいると落ち着かないんだけど?」

「そうだな」

思っていたより柔らかい声音に、思わず眉を寄せた。

何だよ。怒って出ていけばいいのに。

ディオの態度にふて腐れると、ディオは立ち上がって声をかけてきた。

「もう音は気にならない様だな」

音?

ディオの言葉の意味が掴めなくて、ちらりとディオに目線を動かした。

そんな俺に口を歪めて笑って見せると、親指で窓を指し示した。

窓の外では…花火?

もうそろそろクライマックスなのか、色とりどりの花火が夜空でまばゆく輝いている。

「あの音に驚いていただろう?」

言われて、ようやく気付いた。

最初にこの扉を開けたのは、俺の様子を見に来たのか?

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