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プリンス×プリンセス

第31章 泣かせたりしないのに

微笑んで緊張を解そうとしたのに

「いえ!そんな事…」

カムリは頬を染めると、慌てたように首を振って否定した。

…気を使っているようにしか見えないわ。

周りの空気が重くなった気がして、口を開きかけると

「あ!テリオス様にティアナ様がいらしているとお伝えして来ます!!」

そう言い残し、まるで逃げるように続きの部屋へ入っていってしまった。

思わずため息がこぼれる。

どうしてかしら。

嫌われている…とは思わないけど、好かれている気もしない。

距離感の問題もあるかもしれないけど…

テリオスは、城の従者ともうまくやっていて…皆から受け入れられているように見えるのに。

どうしたらテリオスのようになれるのかしら…?

答えの出ない疑問を抱えていると

「姉上!お待たせ!」

テリオスが上半身裸のまま、肩にタオルをかけた姿で部屋に飛び込んできた。

「テリオス!!あなた、そんな姿で!」

目を丸くした私に、テリオスは楽しそうに笑う。

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