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プリンス×プリンセス

第31章 泣かせたりしないのに

「姉上しかいないって聞いたからさ」

肩にかけたタオルで、髪をごしごしと擦るように拭いている。

ああ…そんな拭き方すると髪が傷むのに。

「それにしたって、人前に出るならそれなりの…」

バスローブを羽織るとか。

いくら姉弟だからって、節操は守って欲しいわ。

苦言を呈しても、テリオスは気にしてない様子でクスクスと笑いながら

「よく一緒にお風呂入ったじゃないか」

「いつの話よ!?」

少なくても10年以上前の、年齢が一桁の頃の話じゃない!

私が眉を吊り上げると、テリオスは髪を拭いていたタオルを広げて

「姉上になら裸見られても構わないよ?」

ウインクすると、腕を伸ばして艶かしいポーズをとった。

全く!テリオスったら!!

「私が構います!!」

腕を組んで睨みをきかせると、テリオスが舌を出して肩をすくめた。

そんな私たちのやり取りを聞いていたカムリが笑いだした。

口元を手で押さえて堪えてるけど、堪えきれなかったみたいで…

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