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プリンス×プリンセス

第31章 泣かせたりしないのに

「へぇ…兄上が?」

テリオスはちょっと照れ笑いを浮かべて、雑誌を開き、内容に目を走らせている。

以前ならこんな風に雑誌に取り上げられる事はなかったものね。

エストラーザはそこまで注目される国ではなかったから…

ざっと文章を読んだテリオスが顔を上げて、まんざらでもない表情を浮かべた。

「ま、好意的な文章だもんな」

「きっと、ディオと行動していたからよ。フェールロコノのおかげね」

「だろうな」

次のページをめくったテリオスが目を見開き、慌てて元のページに戻した。

あ…

「あら、読まないの?」

にっこり笑って勧めると、テリオスは顔を赤く染めた。

「姉上!?」

「ごめんなさい。からかいすぎたわ」

テリオスは私のためにしてくれたのだから。

それに、テリオスにしたって、こんな形で写真を残されるのは不本意だろうし。

ふふっと笑みを浮かべると、テリオスが眉をしかめて…

くしゅん!!と盛大なくしゃみをした。

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