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プリンス×プリンセス

第31章 泣かせたりしないのに

今夜は月の光が眩いくらいね…。

カーテンから漏れる明かりを眺め、ふと横を向く。

そこには眠りについたディオがいて…

その寝顔を見ていると、胸が苦しくなる。

ディオに何度も抱かれて、こうやって1つのベッドで眠るのにも慣れたのに。

…ううん、違うわね。

慣れたつもりでいたのに…

今日、ディオと肌を重ねて。

私……気付いてしまった。

その思いを振り返って、自然とため息が漏れた。

両手で顔を覆い、息を押し殺す。

でも…駄目。

このままだと泣いてしまいそう。

ディオを起こさないようにそっとベットを抜け出すと、そっと扉を開いて廊下に出た。

ディオに気付かれずに部屋から出る事が出来て、ほっと息をつくと

「何処へ行かれるのですか?」

突然声をかけられて、心臓がきゅっと縮み上がった。

叫びそうになった口元を押さえてそちらを向くと、そこにいたのは…

「ジューク…」

もう夜更けなのに。

あなたこそ、どうしてここにいるの…?

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