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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

「そんな…2度と会えない訳じゃないし」

肩をすくめる俺に、姉上は咎めるような目を向ける。

兄上の用件が済めば、自由の身になれるだろ。

そしたら、またこっちと行き来したりも出来るんじゃないか?

姉上に微笑むと、シルフィのいる方を向く。

「それまで、シルフィ。姉上を頼むな」

俺の言葉に、シルフィははっとしたように息をのみ

「…はい。心得ております」

そう言って、頭を深々と下げた。

「ジュークも。頼む」

「はい、お支えいたします」

胸に手を当てて会釈をするジュークに1つ頷く。

姉上の周りには優秀な人がいる。

その辺は心配してないんだけど…

姉上に目を向けると、泣きそうな目で俺を見ている。

「そんな顔しないでよ」

姉上の頭を撫でる。

すると姉上が腕を伸ばし、俺に抱きついてきた。

小さい頃からずっと一緒だった。

だから別れるのが不安な姉上の気持ちが分からなくはない。

だけど…

ずっと考えていたんだ。

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