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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

いつまでもここに居るべきじゃないんじゃないか、って。

姉上の事は心配だし、何かあった時は手助けしたい。

だけど、姉上はフェールロコノの人間だ。

いつまでも俺が傍にいるのは、姉上のためにはならないんじゃないのか…?

これは、いわば『いいきっかけ』なのかもしれない。

「じゃあ、そういう事で」

にっこり笑うと、部屋から出ようと背を向けた。

ノブに手をかけた時

「ディオチェスター様にご報告はなさいますか?」

ジュークの問いかけに、動きが止まる。

「別に…いいんじゃないか?」

「なさらない、という事ですか?」

咎めるような口調に、何故かイラついた。

「俺がいてもいなくても、あいつには関係ないだろ?」

「そうですか…?」

その残念そうな言い方は何なんだよ!?

振り返ってジュークを見ると

「ジュークから伝えてくれよ。それで充分だろ」

無理矢理笑顔を浮かべた俺に、ジュークはため息をついた。

「かしこまりました」

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