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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

次の日。

送ってくれるとの申し出を断ることも出来ず、カムリの運転でエストラーザへ向かった。

「テリオス様がいないと、皆さん寂しがるでしょうね」

「そうかな?姉上くらいじゃないか?」

「そんな事ありませんよ!!皆、残念がっていましたし、ジューク様も気落ちしていらっしゃいました」

「それは違うだろ」

ジュークは、俺がいないって事より、姉上の身代わりがいなくなるって方が重要なんじゃないのか?

「そんな!先程も惜しむ声を上げていらっしゃいましたし」

ああ、あれな。

見送りの際に、餞別のようにかけられたのは

「お早めにお目にかかれます様、お祈り申し上げます」

要は、早いところ戻ってこいって事だろ?

眉をしかめた俺を、バックミラー越しに見て

「でしたら…ティアナ様は当然ですが、ディオチェスター様も…」

「アイツにそんな気はないって」

カムリの言葉を遮って否定する。

確かに、さ。

自分で言わずに、ジュークに伝言したからかも知れないけど?

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