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プリンス×プリンセス

第32章 一番の友達

入り口に近づくと、見慣れた初老の男性の姿があった。

「おっちゃん。元気だったか?」

気軽に声をかけると、俺を見て驚いた表情になった。

「坊っちゃん。久方ぶりですなぁ」

「大方一年ぶりか?」

「アレですか?嬢ちゃんのとこからお戻りで?」

「うん、まあ、そう」

照れ笑いを浮かべると、後ろからカムリの戸惑ったような声がした。

「坊っちゃん…嬢ちゃん…」

「ああ、昔からの付き合いだから」

それこそ俺が産まれる前から、この果樹園をやっていたんだから。

カムリを呼ぶと、おっちゃんに紹介した。

「ここの管理者のランディ。おっちゃんって呼んでる」

「始めまして。カムリと申します」

ペコリと頭を下げたカムリを、目を細めて見る。

「始めまして。フェールロコノの方かな?」

「そ、そうです」

緊張しているのか、身を強張らせているカムリの背中をぽんと叩いて

「向こうで一番仲良くなった友達」

ニタッと笑ってみせると、おっちゃんが眉を上げた。

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