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プリンス×プリンセス

第33章 騙された‼

どう言葉を続けさせるか、頭の中で考えを巡らせてしまう。

「お前だって、会ってみたら考えが変わるかもしれない」

そんな俺に、兄上は目を細めて笑うと

「ティアナが幸せに暮らしているのなら、あとはお前だ。テリオス」

ぽん、と軽く肩を叩かれた。

「早く身を固めろ」

肩を叩く力はとても軽いものなのに。

その言葉と、肩に置かれた手の重みが、俺の心にずしりと沈み込んだ。

自然と寄ってしまった眉根のシワを追い払おうと、無理矢理笑いを浮かべると

「俺の事より、自分の事を考えろよ」

なるべく明るい声で告げた。

兄上だって、まだ婚約者もいない状況じゃないか。

人の事より、まずは自分だろ?

なのに兄上は、俺の肩に置いた手を戻すと

「お前が片付いたら、な」

そして、ニヤリと笑った。

「そうでないと私が安心できない」

せっかく追い払った眉根のシワが、より一層深くなってしまった。

「とにかく、明日は一緒に出かける。分かったな、テリオス」

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