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プリンス×プリンセス

第33章 騙された‼

その後、自分の部屋へ戻り…

ソファーへ沈み込むように深く座ると、頭を背もたれに預けた。

兄上め…!

不本意ながら、明日、サーバル国へ行くのを認めてしまった。

騙されたような気分だ。

大きくため息をつく。

結婚相手…か。

まだ結婚自体、自分の問題として考えた事もなかったのにな。

こんなに突然決まってしまうものなのか?

『見も知らない相手でも、ティアナは上手くやっているんだぞ?』

確かにそうかもしれないけど!

顔をしかめて…ふと思う。

姉上はどうだったんだろう?

姉上の結婚を俺が初めて聞いたのは、ディオと初めて会った日だった。

結婚行進曲を口ずさんだ俺に

『テリオス。賛成してくれるの?』

『それは姉上次第かな』

鏡越しに姉上に答えた。

あの時、姉上は…どんな表情をしていた?

『姉上が幸せなら賛成するよ。国とすればこの上ない申し出だし』

それは最もな意見だ…けど。

同じ立場になった今、もしそんな言葉をかけられたら。

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