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プリンス×プリンセス

第34章 サーバル国へ

サーバル国へ着き、城へ向かう。

国王へ挨拶を…と思ったのだけど、俺たちはそのままパーティー会場へ案内された。

パーティーの前に紹介されるかと思っていたのに。

いささか面食らったものの、その方が俺としては好都合。

緊張で凝り固まった肩を解していると、兄上はどうもそれが気に入らないらしい。

「結婚を考えている相手へのもてなしがこれか?」

特別扱いしてもらえると思ってたんだ。

肩をすくめてみせると、兄上は顔をしかめた。

「ま、これから会うんだし。お互い気に入らないパターンもあるから、こんなもんだろ?」

顔を合わせる前から過剰にもてなされても困る。

「ディオチェスター殿が初めて城にいらした時は、もっと準備に念を入れて…」

ああ、そうだったな。

あの日は朝から城の中がバタついていたっけ。

…ってか、せっかく忘れていたのに、こんな時にアイツの名前なんか出すなよ!!

眉間にシワを寄せると、兄上は何故か頷いた。

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