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プリンス×プリンセス

第34章 サーバル国へ

小麦色の肌は活発で健康的なイメージだ。

ミルクティーブラウンの髪は高く結われていて、その上でティアラが一際輝いている。

誇らしげな表情も、物怖じしない姿勢も。

何て言うんだろう…。

「21歳にしては…」

「お前な、女性に失礼だぞ」

兄上にたしなめられて、口を閉ざして肩をすくめた。

ステージの上で、シエンタ王女は感謝の言葉を述べている。

明るくて、笑顔がチャーミングなのは、こんな離れた席からでも分かる。

だけど、俺が彼女に抱いた第一印象は、女性と言うより、女の子だなといったものだった。

結婚相手…ねぇ。

彼女を見つめながら、とてもそんな気分になれないでいると、兄上が眉を上げた。

「お前はどうなんだ?」

「何が?」

「ディオチェスター殿の様に、一目惚れとかしないのか?」

その言葉に、飲みかけていたワインを吹き出しそうになった。

「兄上!?」

慌てて口元を拭うと、兄上は笑いながら言った。

「さすがにそんな運命的なものはないか」

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