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プリンス×プリンセス

第35章 噴水の前での約束

「分かりました。では、また」

シエンタ王女に会釈をして、その場を後にした。

シエンタ王女と会話を交わして…可も不可もない感じだけど。

これで兄上への面目も立つかな。

さっきまでの兄上の様子を思い出して、頬を綻ばせていると

「テリオス様!」

背後から、シエンタ王女が呼び掛けてきた。

「え?」

振り向けば、シエンタ王女が小走りに駆け寄ってきて…

「お会いできて良かったです」

上気した頬を緩めて、にこやかに微笑んだ。

「今度、ゆっくりお話出来ませんか?」

「今度…?」

って事は、今回はこれで終わり、って話か?

てっきりパーティーの後に顔合わせがあると思っていたのに。

当てが外れて瞬きをすると、シエンタ王女は予想外の一言を告げた。

「出来ましたら、今度はあなたの国で」

「俺…あ、いや、私の…?」

戸惑う俺に、シエンタ王女はくすりと笑って 、右手を差し伸べた。

「約束…して下さいますか?」

…仕方無いよな…

「はい。…喜んで」

その手を取ると、甲に唇を当てた。

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