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プリンス×プリンセス

第35章 噴水の前での約束

「それで…テリオス様はいつ頃お戻りで?」

すると、ティアナは困ったように眉を寄せた。

「それが…シエンタ王女と約束をしたから、しばらくはあっちにいるみたいで…」

「そうですか」

ジュークは小さく頷くと、ディオチェスターへ視線を向ける。

「なるほどな」

ディオチェスターは小さく呟くと、くっ…と笑い声を上げた。

「ではまだしばらくは、この平穏な時間が過ごせるな」

ディオチェスターの軽口に、ティアナは頬を綻ばせた。

「もう…ディオったら」

そんな二人を見ながら、ジュークは目を細めると

「上手くいけばいいと…お思いですか?」

にこやかなその口調に、ティアナは口角を上げて

「え…ええ。このまま仲を深めていけたらいいけれど」

そしてディオチェスターへ賛同の視線を向けた。

その時。

執務室のドアをノックする音と共に、シルフィの声が聞こえた。

「ティアナ様、よろしいでしょうか?」

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