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プリンス×プリンセス

第36章 企み

「テリオス様の姉君…利用しない手はありません」

「んっ!…ティアナ様を…?」

耳元をくすぐられ、肩をすくめながら、シエンタは戸惑った瞳をアリオンへ向ける。

至近距離でお互いの視線が絡み付く。

「彼女に会う約束を取り付けて、フェールロコノへ出向けば…どうですか?」

「まだ結婚の話も出ないのに…んっ…」

不安げな声をあげたシエンタの唇を、自らの唇で塞ぐ。

二度、三度と続くキスに、シエンタの体が蕩けたのか、力が抜けていく。

シートに深く沈み込んだシエンタを、目を細めて満足げに見つめると、言い聞かせるように話した。

「テリオス様を誘導しなさい」

「どうやって…?」

「それはご自分でお考え下さい」

口元に笑みを浮かべたまま。

アリオンはシエンタを抱き寄せると、首筋に唇を這わせながら、ワンピースのホックを外した。

「方法はいくらでもあるでしょう?」

ゆっくりと、手を滑らすようにファスナーを下ろされ、シエンタの小麦色の肌があらわになっていく。

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