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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

「ようこそお出で下さいました。心より歓迎致します」

「ありがとうございます」

シエンタは挨拶を返すものの、かすかに戸惑いの色を浮かべて俺を見た。

多分、ジュークの立ち振舞いが従者のそれと違うから。

やっぱり王子の血筋って、どこかで出てくるものなのかもしれない。

「ジュークはディオチェスター王子の第一執事なんだ」

俺の紹介に、シエンタは軽く目を見張った。

「ディオチェスター王子の…?」

「はい。どうぞお見知りおきを」

パチパチと瞬きを繰り返すシエンタの視線を、にこやかに受け流すと、ジュークは右手を奥に差し向けた。

「どうぞこちらへ」

ジュークの先導で中へ案内される。

すれ違うメイドや従者に、頭を下げられたり微笑まれたりしながら歩いていった。

何でだろう?

その度、懐かしさと共に居心地の悪さを感じてしまうのは…

「テリオス様?」

いつの間にかしかめ面を浮かべていたらしい。

小首を傾げたシエンタへ、取り繕うように微笑んだ。

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