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プリンス×プリンセス

第37章 疚しさの裏で

「こちらへどうぞ」

ジュークか案内したのは応接室。

あ…そういう事か。

姉上の部屋でも、ディオの執務室でもなく、応接室だって事で、さっきの居心地の悪さの意味が掴めた。

完全に『お客様扱い』なんだ。

だから皆、会釈はするものの、それ以上近寄ってこない。

前にここで過ごしてた時は、もっと親しかった。

挨拶をしたり、言葉を交わしたりしたのに…

たった数ヶ月で、こんなに変わっちゃうもんなのか!?

そんな自分の考えの甘さに、口元が緩んだ。

いや、それが正解なんだよな。

俺はフェールロコノの王子じゃないんだから。

ジュークが扉をノックして、中にいる人へ話しかける。

「ご案内致しました」

「どうぞ。お通しして」

扉越しに姉上の声が聞こえる。

シエンタと目を合わせ、一度頷くと、ジュークが開いた扉の先へ足を踏み入れた。

まず目に入ったのは、俺達を出迎えるべく、扉の近くに立っている姉上。

そして、その背後に…

何でお前がいるんだよ!?

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