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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

「素敵な贈り物ですね」

表情はあくまでもにこやかに。

けれど、感情のこもらない、淡々とした口調でジュークはシエンタに向き直った。

「調べさせていただきました」

そう言って、包みをテーブルの上に置く。

「あ…!」

シエンタが口元を手で押さえて、目を見開いている。

ジュークの手によってゆっくりと開かれた包みの中には…

間違いなく、シエンタがプレゼントした、白いウサギのぬいぐるみ…

「きゃあっっ!!」

……の、残骸。

姉上が悲鳴をあげるのも無理はない。

至るところを切り開かれ、詰め物を引き抜かれた状態のぬいぐるみは、あまりにも無惨だ。

そして、その横には…

「小型カメラと盗聴器…何を探るつもりでした?」

黒い四角い箱と、それに延びるコード。

それをつまみ上げて、シエンタの目前に掲げてみせる。

「そんなの…知らないわ」

かすれた声でシエンタは否定する…けど。

その顔色の変化で、嘘だと分かってしまった。

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