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プリンス×プリンセス

第38章 奸計(かんけい)

やれやれ、とでも思ってるのか?

仕方がない奴だと言っているような素振りをしやがって。

そんな態度を取られたら、出ないわけにいかないよな…

思った通り、アリオンは1つ息を吐くと、眉を寄せて電話を耳に当てた。

「…はい。代わりました」

その途端、相手側の剣幕に飲まれたのか、びくりと体をすくませた。

「は?…あの…」

言葉を挟む余地を与えないように、矢継ぎ早に話をしているのがよく分かる。

そんなアリオンを見て、ディオが小さく笑った。

「女史は随分と饒舌なようだな」

「小言が多いだけです」

シエンタは眉を寄せて答えると、不安そうにアリオンを見ている。

ただのお喋りではないのは、アリオンの様子からすぐに分かる。

わざわざ電話するほど…何かあった、のか?

「一体誰がそんな……何ですか?…雑誌!?」

切れ切れに内容が聞こえる。

何の話をしているんだろう?

「…雑誌と言えば」

ディオが呟くと、シエンタへ話しかけた。

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