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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

その顔は苦汁を嘗めたようなもので…

「もう… バレてるみたい」

シエンタは下を向いたまま呟いた。

…いや、違う。

床に落ちた雑誌を見ているんだ。

あの騒動で、ディオが持っていた雑誌が投げ捨てられ、床で広がっている。

開かれたそのページには、熱烈にキスを交わす男女の姿が…

「シエンタと…アリオン!?」

何でこんな写真が!?

いや、そうじゃない。

この二人は、そういう関係なのか?

突き付けられた事実が衝撃過ぎて、頭が上手く回らない。

するとシエンタは、前髪を掬い上げる様にして額に手を当てると、小さく呟いた。

「…やられたわね」

その口調は、俺が知るシエンタのものではなかった。

妙に落ち着いた…大人の女の声。

「あなた…一体…」

シエンタの変貌に、姉上も驚きの声を上げる。

そんな姉上へ視線を移すと、怒りに燃えた色を浮かべて叫んだ。

「全ては貴女のせいよ!」

「私の…?」

突然怒りをぶつけられて戸惑う姉上へ、シエンタはディオを指差しながら告げた。

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