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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

「貴女が現れなければ、この男はグレイスと結婚していたのに!!」

シエンタの放った言葉に、姉上は驚いてディオを見た。

それは、姉上だけではなくて、俺も。

は?

そんな話…何も聞いていないぞ!?

そもそも、グレイスって…誰だ!?

驚く俺達の視線を無視して、ディオがシエンタに苦々しげな顔を向けた。

「君は、グレイスの関係者か」

「従姉妹よ。幼い頃から交流があって、姉妹の様に思ってた」

ディオの反応に、シエンタは何故か勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

…って事は、だ。

シエンタの話…嘘じゃないって事、か?

「グレイスは本気で貴方を好いていたのに」

シエンタはぼそりと呟いて…

また姉上を睨み付けると、吐き捨てるように言った。

「そんな時に!!この男はグレイスを棄てて、貴女に乗り換えたのよ!」

シエンタの表情は真剣そのもので。

嘘を語っている雰囲気は微塵もない。

「ディオ…?」

不安げに呼び掛ける姉上へ視線を移すと、ディオは小さく笑った。

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