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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

「グレイスはどうしている?」

他愛のない、世間話のような口調が気に入らないのか

「今頃気にしても遅いのよ」

シエンタは唇を歪めると、戸惑った表情のままの姉上へ質問を投げた。

「貴女は幸せなのよね?」

姉上は答える事が出来ない様で、瞬きを何度もしている。

シエンタはそんな姉上を見て…

「だけどグレイスは違うわ」

元々答えを気にしていないのか、冷ややかな目で姉上からディオへ視線を移した。

「あれからずっとふさぎこんで…以前の、明るかった彼女はどこにもいない」

あれから?

姉上とディオが婚約発表した時…か?

…ん?ちょっと待てよ。

「だから…貴女に近付いて、秘密を手にしたかった」

俺の心に沸き上がった疑問に気付くわけもなく、シエンタは姉上との距離を詰めて行った。

「秘密…?」

シエンタの言わんとする事が解らなくて、姉上は言葉を繰り返すと

「そうじゃなければ、この男が誰かを愛するなんて信じられないもの」

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