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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

そうアリオンに話しかけて、くくっと喉の奥で笑う。

「今さら襲いかかるほど、計算が出来ない訳ではないだろう?」

ディオの言葉を聞いて、アリオンが目を伏せた。

その様子を見て、ジュークがアリオンから手を離して立ち上がる。

だけどアリオンはそのままで…

捻り上げられた腕をゆっくりと元に戻すと、床に寝転んだままため息をついた。

「アリオン!痛むの!?」

シエンタは顔色を変えてアリオンの元に走り寄った。

「いえ、平気です」

「でも…!」

自分の事のように辛そうな表情をしたシエンタへ、アリオンが苦笑いを浮かべた。

そんな二人を見て、思う。

どうして気付かなかったんだろう?

俺と会うとき、シエンタの側には必ずアリオンがいた。

それこそ、最初の出会いから。

自分の迂闊さに気付いて、二人から目を反らした。

そんな俺の前をジュークが通りすぎ、姉上の顔を覗き込むと

「ティアナ様、失礼します」

そう一言声をかけ、姉上を抱き上げた。

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