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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

「え…」

ふわりと流れるように抱き上げられ、目を丸くしてジュークを見つめた後、姉上は身じろぎした。

「ジューク!歩けますから…」

「この方が安全にお連れできます」

ジュークに微笑まれて、姉上は困ったように眉を下げる。

「ごめんなさい…」

少しでも負担をかけないようになのか、両肩を竦めて縮こまる姉上を抱え、ジュークが部屋を移動する。

扉の前まで来ると、シエンタの運転手が素早く扉を開けてくれた。

ジュークと姉上が立ち去り、再び扉が閉じられて。

扉を見ていたディオへ、シエンタが眉を寄せて話しかけた。

「さすがに奥方の心配はするのね。お優しいこと」

ディオは苦笑めいた笑みを口元に浮かべると

「それで?」

視線を扉からシエンタへ移した。

「計画が露見した今、何を望む?」

ディオの目線に怯むことなく、シエンタは口角だけ上げて笑いの表情を作った。

「じゃあ…今すぐ離婚して?」

はい!?

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