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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

シエンタの言葉が意外すぎて、俺は瞬きをするだけで…

でも、ディオは予想できていたのか、鼻で笑うと、あきれたような口調で話す。

「そんな事が望みか」

「貴方だけが幸せになるなんて、許せないの!!」

激昂したシエンタは、スカートをぎゅっと握りしめた。

握りしめた手が微かに震えている。

そんな様子に、ディオは目を閉じてため息をついた。

「俺と一緒になったとして、グレイスが幸せだと思うか?」

「そんなの…!」

言い返そうとして、シエンタは言葉を詰まらせた。

え?

何でそこで言い淀むんだよ。

シエンタが迷うように目を泳がせるのを見て、何ともモヤモヤした気持ちになった。

ディオとグレイスって人…うまくいってたのかな?

結婚目前だって言うけど、本当にそうだったんだろうか?

二人の雰囲気で、何となくそんな予感を抱いてしまった。

するとシエンタが眉を寄せて、口元をきゅっと引き締めて言った。

「だって…電話すると毎回泣いていたもの」

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