テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

「さっきのキャロルからの電話、この事なのでしょう?」

雑誌の開いたページをアリオンへ向けた。

「は…あの…」

「隠し撮りにしてはよく撮れてるわね」

言葉だけ聞けば褒めているように聞こえる。

だけど、写真を見るシエンタの顔は、とても喜んでいるものではなくて…

アリオンは顔を強張らせると、シエンタの手から雑誌を抜き取った。

「雑誌社へ訴訟の準備を…」

「やめなさい。無駄よ」

苦々しげに語るアリオンを、シエンタは即座に制止する。

「だって、それ…捏造じゃないもの。騒ぐだけ面白がられるわ」

シエンタの言うことはもっともだ。

否定をしても、写真という証拠がある。

かといって肯定するのも…どうなんだろう?

どっちにしても、格好のネタだ。

「しかし、それではシエンタ様が…」

「ありがとう。分かってるわ」

言葉を被せられて、アリオンはそれ以上話すことが出来なくて眉を寄せた。

そんなアリオンへ、シエンタはクスリと笑う。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ