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プリンス×プリンセス

第39章 気持ちが悪い

「帰って、状況を見定めなければ」

シエンタはそう言うと、目を閉じて前髪を指で研き直した。

そして、ひとつ大きく息を吐く。

再び目を開いたシエンタの顔は、妙に大人びた…王女の高貴さを帯びたものだった。

「もし、手を借りたいような事があれば…援助してもらえるのよね?」

シエンタの申し出に、ディオは目を細める。

「最大級の協力をしよう」

「その時はお願いします」

そう言って軽く会釈をするけど。

顔を上げた瞬間…ほんの一瞬だけど、悔しそうに眉を寄せたのを見てしまった。

不本意…なんだろうな。

そりゃそうだよな。

他国の次期王妃にトラップを仕掛けたんだ。

それなりの覚悟を持っていたんだろうし、それが不発に終わってしまったんだから…

シエンタは口元を引き締めたまま、足早に部屋を出ていこうとした。

アリオンが先に立ち、ドアノブに手をかけようとして…

「待て」

ディオの呼び掛けに、アリオンが振り返った。

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