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プリンス×プリンセス

第40章 俺の意思

『貴方なんて大嫌い!!』

確かにずいぶんと嫌われたよ。

だけど!!

「もとはと言えば、お前のせいだからな!?」

お前がシエンタに恨まれるような事をしたから。

だから恨みの対象が姉上になったんだし、姉上が対象じゃなければ俺に近付くことも無かったんだろうし…

また考えが堂々巡りになりかけた時、はっと気付いた。

「ってか、あれはどういう事だ?」

「あれとは?」

「グレイスだよ!!」

名前を挙げれば、ディオの眉が上がった。

「お前、姉上と二股していやがったのか!?」

「何故そうなる?」

「じゃなきゃ、ふさぎこむほど落ち込まないだろ!?」

自分の恋人が、他の人と結婚するなんて聞いたら…

あのシエンタが心配して、こんなことをしでかすぐらい、グレイスにはショックだったんだろう。

でもそれは…

姉上に対しても、そのグレイスって人に対しても

「いくらなんでも馬鹿にしすぎてないか!?」

憤った俺に、ディオはため息をついた。

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