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プリンス×プリンセス

第40章 俺の意思

「お前が興奮してどうする」

「うるさい。ちゃんと説明しろよ!!」

ディオはもう一度ため息を付くと、テーブルに置きっぱなしになった紅茶に口をつけた。

「…不味い」

そりゃそうだろうな。

ジュークが淹れてくれたものだから、もうとっくに冷めきっているはずだ。

一口飲んだだけでソーサーに戻して、椅子に深く座ると

「グレイスは、トグル王国の姫だ。俺が大学生の頃、2ヶ月ほど世話になった」

何かを思い出すように、目を閉じて前髪をかき上げながら話し始めた。

こいつが大学生って…何年前だ?

少なくとも5年以上は前なんじゃないか…?

「それからの仲なのか」

「そうだな。そういう事になるか」

あっさりと認めやがった!!

眉をひそめると、ディオが頬杖をついて俺を見上げた。

「あの時、中等科に上がったばかりだったな」

「は?」

「グレイスだ」

中等科?

上がったばっかりって…入学した、って意味だろ?

って事は…

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