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プリンス×プリンセス

第6章 婚約発表

高らかにファンファーレが鳴り響いた。

それまでざわめいていたゲストが静まり返り、逆にマスメディアの人々が、盛んに報道合戦を始めた。

すげぇな。

国営放送で生中継するのに、他局のテレビカメラや新聞社らしき人でごった返している。

フェールロコノって、俺の国よりも協調性がない国民性なんだろうか?

冷めた目で周りの動向を窺いつつ、姉上の様子を探る。

さっきよりは決意の固まった表情をしていて、少し安心した。

だけど緊張しているのは明らかで。

俺も少しでも力になってやりたい。

そう祈って、姉上の警護にあたった。

国務大臣の挨拶が終わり、進行役がディオチェスター王子と姉上を迎える。

一斉に焚かれたフラッシュに、姉上が一瞬怯んだ。

あ。

思わず、姉上の方に一歩踏み出した。

けど。

ディオチェスター王子が、姉上の腰に手を回し、姉上を支えた。

「ありがとうございます…」

「構わん」

そして、今まで一度も見たことのない柔らかな微笑みを浮かべ、姉上を見つめた。

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