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プリンス×プリンセス

第6章 婚約発表

…あれ、誰だよ!?

微笑まれた姉上も、驚いた顔をしている。

そんな姉上をエスコートするように壇上へ登っていった。

マイクの前に立ち、一同を見渡すと、途端にあちこちからカメラのフラッシュが焚かれた。

「ディオチェスター・ヴェゼル・アスプレイだ。この度は私の婚約に際し、お集まり頂いた」

そして姉上に目線を移す。

「私の選んだ婚約者を皆に披露したい。さぁ」

そう言って、姉上の背を押した。

スピーチ台の前に一人で立たされると、目が眩むほどのフラッシュの光が姉上を襲う。

けれどそれに耐え、姉上のスピーチが始まった。

「皆さん、初めまして。私はエストラーザ第一王女のティアナ・シビリアンです」

真っ直ぐ前を向き、凛とした立ち振舞いに、観衆からざわめきが立ち上った。

「ディオチェスター王子との婚約をお伝えするのに、このようにたくさんお集まりいただきまして…少し、緊張しております」

姉上の言葉に、会場の空気が和らいだ気がした。

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