テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第40章 俺の意思

「そう…かもしれないな」

確かにシエンタはそういうところがあるのかもしれない。

だけど、根底にはグレイスへの思いがあっての行動だったんだと思う。

……多分、だけど。

内心ひやひやしてディオを窺うと、頬杖から姿勢を変えて背もたれに凭れて息を吐いた。

「まあ…だが、いい暇潰しにはなった」

は?

あんな騒動だったのに…暇潰し?

「よっぽど暇だったんだな!」

こっちはそんな楽しむ余裕なんて無いのに!!

ディオの態度にイラッとして悪態を付くと

「そうだな」

まさか肯定されるなんて思わなくて。

ディオは背もたれに体を預けたまま、俺を見て言った。

「お前がいなくなって、静かだった」

……はい!?

「煩わされるものもなくなって、平和に、静かに時が過ぎていった」

「良かったじゃねぇか」

何だよ。

結局、いつものイヤミ節か!!

少しは罪悪感とか感じないのかよ!!

ムッとしたまま言い返すと、ディオは何故か表情を曇らせた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ