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プリンス×プリンセス

第40章 俺の意思

「な…っ!!」

何するんだよ!?

抗議したいのに!!

ディオの透き通るような青い瞳に見つめられて、居竦まってしまう。

「ほとぼりが冷めるまで、ここにいろ」

ここに…?

「それは…命令なのか?」

「命令ではない」

ディオは小さく笑うと、顔を近付けた。

「お前の意思でどうするか、だ」

ディオの瞳を見つめて考える。

俺の意思で…って言うけど、俺に選択肢はあるのか?

もしも今ここで『嫌だ』って言ったら…それでどうなるんだろう?

「あ…姉上」

視線をそらせないまま、どうにか逃げる方法を考える。

「姉上が心配だから、様子を見に行かないと」

今返事をしたら後悔しそうで。

とにかく時間を稼ごうとしているのに、ディオは手を離してくれない。

「今、医者に診せている。それにジュークも付いている。何かあればすぐ連絡は入るだろう」

「だけど…」

それはそうかもしれないけど!!

「早く言え」

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