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プリンス×プリンセス

第6章 婚約発表

「私は…」

姉上がスピーチを続けている最中。

国営放送のロゴの入った服を着た、関係者と思われる男が近づいてきた。

何だ?

何かあったのか!?

周りを見回して、特に異常がないか確認すると

「俺はこの婚約に反対だ!!」

男が叫び、懐から何か黒いものを取り出した。

姉上!!

突然の出来事に、驚いた表情のまま立ちすくむ姉上の元へ走り寄った。

くっ…!間に合え!!

姉上に手を伸ばし、抱き寄せて…

パァン!!

乾いた音が周りに響き渡った。

と、同時に。

背中に何かがぶつかって、爆ぜた。

「ぐっ!!」

姉上を抱き締める腕に力が入る。

「テリオス!?」

銃声のせいか、耳がキーンとして聞こえづらい中で、姉上の緊迫した声が聞こえた。

「テリオス!?ねぇ、どうしたの!?」

「あ…姉上、無事…?」

「私より…!」

姉上の手が俺の背に回って…止まった。

赤く染まった自分の手を俺の肩越しに見て、姉上の目が恐怖に震えている。

「テ…リオス、テリオス!!」

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