テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第41章 裏工作

「そんなことないさ。俺は好きだな」

「ありがとうございます」

笑顔を浮かべるメイドに満足して、再び歩く。

人が笑ってくれるのはいいな。

俺がフェールロコノに残ると聞いて、一番喜んだのはカムリだ。

「テリオス様!!おかえりなさいませ!!」

俺の両手を握り、目をキラキラと輝かせて迎えてくれた。

カムリの笑顔を見てると、俺も笑顔になれる。

ここの城の中では貴重な存在だ。

あと、笑顔と言えば…

「一緒にティアナ様を支えてくださいませ」

ジュークはそう言って、いつもの仕事上の笑みを浮かべていた。

あいつの笑みには、絶対に裏がある。

支えるとか言いながら、絶対に利用されるに決まってるんだ。

だけど、それでも…

『俺のそばにいろ』

ディオの言葉が、耳の奥に残ってる。

思い出す度に胸が苦しくて…でも、悪くはない。

こんな気持ちは初めてだ…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ