テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第41章 裏工作

だってあんなに愛情がこもった目でお腹を擦っていたじゃないか。

確信に近い思いで姉上を見たのに、その表情はみるみる暗くなっていって…

「私は…この為にここにいるから」

硬い声で答える姉上に、胸の中に不安が広がっていく。

嬉しくないのかを聞いた。

絶対に否定すると思って聞いたのに!!

「この為って」

それじゃあ、まるで…

「国の繁栄のためには、後継者は必要でしょ?」

俺の考えを遮るように、姉上はにっこり笑って答える。

そりゃあディオは次期国王なんだし。

子供…を望む声は、結婚が決まった頃から国の内外で囁かれていた。

「それはそうだけど」

言いかけた俺の言葉を遮るように

「だったら!」

自分の語気に驚いたのか、姉上は口を押さえた。

姉上…?

口をつぐんで姉上の動向を窺っていると

「嬉しくないなんて…そんな訳ないじゃない」

姉上は眉を寄せて…

か細い声でそう告げた…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ