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プリンス×プリンセス

第41章 裏工作

ジュークの告発に、驚いて目を見開いた。

そんな俺に、ジュークは口元を歪めて、笑っているかのような表情をした。

でも…

相変わらず、目は笑わないのな。

「あの写真が公開されれば、どれ程の影響があるか、容易に想像できました」

そりゃあそうだろう。

一国の王女のスキャンダルだ。

騒ぎにならない訳がない。

「ですが、そこまでしてでも阻止したかったのでしょう」

阻止。

ジュークの言葉に、胸がズキンと痛む。

「それって…まさか」

眉をしかめたら、ジュークが目を細めて…

「そうですよ?」

やっと、笑っている顔に見える表情になった。

「貴方に、この国に戻ってもらう為にした事です」

ジュークは笑っている。

でもその言葉は、笑顔を浮かべて語ってほしくない内容だった。

「俺のために…?」

ルークスを潜り込ませて、シエンタを陥れた。

いや、あれはルークスが仕向けた事じゃない。

遅かれ早かれ露見したかもしれない話だ。

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