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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

憎まれ口を叩く俺に、ディオは目を細める。

「では、どう言えばいい?」

「どうって…」

姉上の体調を気遣うとか?

いや、そうじゃなくて…

「普通に…嬉しくないのか?」

お腹に自分の子供を宿している人の体調がいいって聞いたら。

普通は笑顔になるとか、ホッとするとか…

ため息はつかないんじゃないか?

なのに、ディオは小さく笑みをこぼすと、俺に問いかけてきた。

「普通か。普通とは何だ?」

…気になるのはそこか!?

「お前と問答する趣味はないんだけど」

ため息をついて、作業を再開させていると

「では、お前は何故素直に喜ばない?」

ディオの指摘に、ドクンと心臓が大きく鳴った。

「何を言って…」

「先ほど、俺に向けた目は違うものだった」

だから、心配するような言葉をかけてきたって?

心の中を読まれたみたいで、何とも言えない苦い気持ちを味わった。

「姉上の事は…良かったと思ってるよ」

その気持ちに嘘はない。

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