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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

するとディオは意外そうに目を見張ると

「お前は簡単に信じすぎる」

「はぁ!?」

どういう意味だよ!!

「そういう建前なら、国民に受け入れられるとでも考えたのだろう」

ディオは肩をすくめて、くくっと笑った。

「あの国王の考えそうな事だ」

「じゃあ、嘘なのか!?」

「けれど、これでシエンタはアリオンと一緒にいられる」

そう言われて、二の句が告げられなくなる。

苦々しげな表情を浮かべてしまうと、ディオが追い討ちをかけた。

「本来なら、姫と従者など身分違いだからな」

「身分…か」

好き合った相手と一緒になれるなら、当人としては幸せなはずなのに。

シエンタは一人娘で…

ゆくゆくは、女王になる『姫』だ。

やっぱり結婚相手にはそういうものを重要視するのか。

「シエンタは大丈夫かな」

「心配か?」

「そりゃあ…そうだろう?」

仮にも婚約内定してたんだから。

…何か、笑い話にしかならない名称だな。

自分の考えに、口元を笑いで歪める。

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