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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

「全く…お人好しだな」

「悪いな。性分なんだよ」

ディオは唇を歪ませて意地悪く笑って、意外な言葉を口にした。

「本気で惚れぬいた相手と一緒ならば大丈夫だろう」

「うん、そうだな…」

ディオの言葉に、曖昧に頷く。

ってか、ディオでもそういう風に思うんだな。

出会った頃は、冷たくて、他人を簡単に切り捨てる嫌なやつだって思ってた。

だけど…そうじゃなかった。

人の事をお人好しだとか言ってたけど、お前だってそうじゃないのか?

シエンタの為に、どこまで考えたんだよ?

それと…多分、俺の為にも…

「何故笑う?」

ディオに指摘されて、慌てて表情を引き締める。

うわ。無意識に笑ってた。

何か…妙に、照れくさいじゃないか。

薔薇の垣根に目を移すふりをして、ディオから顔を背ける。

「シエンタには幸せになって欲しいな」

子供みたいに目を輝かせて話してる表情を思い出す。

アリオンと一緒に、楽しく笑って過ごしてほしい。

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