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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

「俺は無理だろうから」

呟いて、小さく笑みをこぼす。

その時、風が花びらを巻き上げた。

枯れた葉っぱと共に、赤とピンクの花弁が風に乗って、舞うように流れて地面に散っていく。

「何だよ、せっかく集めたのに」

風に文句を独り言ちると、その場にしゃがみこんで足元に散らばった花弁を拾い集める。

すると、手元に影が落ちた。

顔を上げると、ディオが屈んで俺の名を呼んだ。

「テリオス」

「何…っ!」

言いかけた唇を、ディオのそれで塞がれた。

「んっ…!」

触れるだけのキスが何度か続き、何度目かの時に尻餅をついてしまった。

それでも口付けは終わらず…

ディオがのし掛かるように体を近付けてくる。

「んんっ…ディオ!!あ…待てって!!」

小さな声で叱咤して、何とかそれ以上の行為を止めさせると

「お前…どこで誰が見てるか分かんないんだぞ!!」

動悸を抑えながら、懸命にディオを睨む。

こんな…城の庭先で!

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