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プリンス×プリンセス

第42章 笑ってんじゃねぇ!!

使用人だっていつ通りかかってもおかしくないのに!!

だけど、俺の怒りを理解しないのか、ディオは口元を指で拭うと、俺の目を真っ直ぐに見た。

「ならばそんな顔をするな」

澄みきった青空のような、きれいな瞳。

俺の目を通して、もっと奥までディオに覗き込まれてるみたいだ。

俺の心の中の、わだかまりや戸惑い。

他人に知られたくない気持ちも、全部…

ディオは膝についた土を払うと、俺に手を差し出した。

「立て」

素直に手を伸ばすと、思っていたより強い力で引き上げられた。

その勢いのまま抱き止められて、ディオの匂いに包まれる。

「もし引き裂かれたとしても…お前への想いは変わらない」

耳元で囁かれた。

その途端、ぞくんと何かが背中を走り抜けていく。

何でそんな事言うんだ?

そして…

何でこんなに気持ちが昂ってるんだ?

鼓動が高鳴って、胸が痛いくらいだ。

ディオの匂いと声に気持ちを乱されて…

でも、それが妙に心地よくて。

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