テキストサイズ

プリンス×プリンセス

第43章 酔ったせいにして

「ディオより、ジュークの方が年上…だろう?」

なのに、同じ時期に身ごもっていた?

疑問をそのまま顔に出すと、ディオは俺を見上げて

「余程ショックだったんだろうな。それが原因で、王妃は流産した」

え?

淡々としたディオの口調。

それで語られるには、その事実はあまりにも衝撃的だった。

でも…そうだったとして…

「だから…逃げた、のか…?」

ジュークの母親。

妊娠したとたんに逃げた、って言ってたのは…

俺の問いに、ディオはワインを傾けて答えた。

「そのまま城に居れば、必ず権力争いに巻き込まれる。何せ、『国王の初めての子供』だからな」

そういう事か。

ジュークの母親は、ジュークを守るために身を隠したのか。

それでも最後は自殺して…

それまでの間、どんな暮らしをしていたんだろう…?

ため息をワインと共に飲み込む。

ディオがこの慣習をよく思ってないのは分かった。

「で…お前はどうするんだ?」

「何がだ」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ